2013年6月16日日曜日

Art&Museumで遊ぶ Vol.1


ー森美術館LOVE展で「愛」
について考えるー

開館記念展「幸福」に続く
普遍的なテーマ、
「愛」に注目した森美術館開館10周年を記念する展覧会「LOVE」展に
行ってきました!




第一室にはポスターにもなっている、
ジェフ・クーンズの金色のパッケージに赤いリボンの立体作品
「聖なるハート」。
そのスケールにまずびっくり!

一点のくもりもない鏡面には観る人がうつりこみます。
パツパツに膨らんで今にもはじけそうなそのパッケージの中には、
いったいどんな愛がつまってるんだろう?
その佇まいからは無邪気さすら感じられます。

一方で、バースデイカードを模した
ベビーピンクの作品には、
近づいてみれば「死」のスパイスがふりかけられて・・・。
一室にして一筋縄ではいかない「愛」のカタチに気づかされます





「愛ってなに?」

「恋するふたり」

愛を失うとき」

「家族と愛」

「広がる愛」


恋するふたりは果たして相思相愛
なのか?
愛を失ったときの感情のほとばしり、
いいことばかりじゃない家族との愛、
そしてバーチャルな愛・・・
ギャラリーはこれらの5つのセクションから構成され、
平安時代から現代まで、時空をこえた約200点にもおよぶ作品から
複雑で多様な愛をみせてくれます。

今回は企画担当されたキュレーターさんのガイドによる
ギャラリートークに参加。

アメリカでは国宝級のポップアイコン、
ロバート・インディアナ「LOVE」も展示されていますが、
これがなかなか貸し出し困難な作品とのこと。



ちなみに作品「LOVE」のイメージはそのまま
対面に韓国人作家により別の作品となって展示されています。
インディアナは当作品への著作権を放棄しているため
世界中で模倣されているのだそう。
まるで巷にグッズあふれるくまもん??
そういえば、くまもんの商標使用は無料でしたね。

模倣されることで多様なバリエーションがうまれ、広がっていく。
それをまたよしとする作家もいること、
企画構想から数年を経る過程で実現したこと、かなわなかったことの
裏話などもきけて充実のツアーでした。

GW前から始まった展覧会ですが、
9月1日までの会期中、森美術館スタッフによるギャラリートーク、
関連プログラムなどギャラリーを倍楽しむ企画もまだまだたくさん!

また、今回の「広がる愛」セクションの
草間弥生の新作インスタレーションは、
水玉のモチーフが鏡に映りこみ永久に続く世界をみせてくれますが、
19時からは日中は閉じている窓のシャッターがあいて、
前方に東京タワーのある夜景が映りこんでいくそうです。

さすが都会のギャラリー
火曜日以外は22時まで開館しているので
夜の来館もおすすめです。



+++
六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展

LOVE展:アートにみる愛のかたち―
シャガールから草間彌生、初音ミクまで

ー今こそ、愛をー

愛は人間にとってかけがえのないもの
です。
森美術館は10周年を記念して、
この「愛」というテーマを掲げ、
美術史を彩る名作や意欲的な新作を含む約200点を通して、
愛のかたちを探ります。

恋愛から始まり、家族愛、人類愛へ
広がる愛のかたち。
ときに憎しみや嫉妬にもつながる
愛の複雑さ。
また、あらゆる対立を超越する愛の力。
さらにはインターネット社会における
新たな絆など、
愛の諸相を描く名作を紹介します。

会期:2013年4月26日(金)-9月1日(日)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
http://www.mori.art.museum/contents/love/about/index.html



Author:漣(れん)
世田谷区在住 webコンテンツライター
地方都市の現代美術ギャラリー、首都圏のアートプロジェクトサポーター。
美術館のみならず博物館・科学館などのミュージアム系施設が好物です