2014年3月19日水曜日

Art&Museumで遊ぶVol.7

マネキンのいないファッション展
「拡張するファッション」




今回は梅まつり中の茨城県水戸市まで出かけてみました。めざすは水戸芸術館。現代美術に特化したギャラリーです。はるか遠くのような気がしますが、上野駅から特急で1時間と少し。偕楽園駅で降りてちょっとばかり梅まつりの雰囲気だけ楽しんで、隣接する神社前からバスで街中まで。
 
 
 
 さて、この展覧会タイトル。ファッション好きなら思い浮かぶ方もいらっしゃるかも。資生堂「花椿」編集者だった林史子さんの、2011年発行の同名の著書を元にした企画。本書に登場するアーティストやさまざまなジャンルが出会う文化の交差点としてのファッションを紹介しています。 



まずはギャラリー入口にならぶ、会期前に行われた「新しい制服のためのワークショップ」の様子がすてきです。染を体験し、制服とは?機能性とはなにか?を話し合い、お気に入り(とは限らないのですが)の服のエピソードや素材を共有しながら、ギャラリー監視スタッフ有志とアーティスト、パスカル・ガテンとのやりとりが温かく伝わってきます。

一室からはファッションカルチャー誌で活躍するホンマタカシさんの写真、アーティスト自身が編集・デザイン・発行する「ZINE(ジン)」が続きます。ファンなら垂涎ものの、手にとって読みたいww!!と言われた希少品がが長い廊下にずらりと並んでいました。(手にとれるサンプルも、ショップには一部販売品もありましたよ!)

いまや映画監督としてメジャーになったミランダ・ジュライは、監督、脚本、主演、助演すべて自分という「アトランタ」の上映も。ZINEといい、ミランダ・ジュライといい、編集ツールも動画を撮ることも比較的容易になった現代の表現は、こんなに自由でいいんだ!と目からウロコです。

既成品を組みなおしてデザインする服、お直しをしてさらに愛着のある一点にする、古着にまつわるエピソードのひとつひとつにしんみりと向き合う・・・能動的に装うことについて考えさせられる機会になりました。




また現在、高校生ウィーク期間ということでギャラリー内にボランティアが運営する無料のカフェが登場しています。下校後の高校生に立ち寄ってもらう場として午後からのオープンですが、小学生から一般社会人まで、お針仕事コーナーではぎれをちくちくしてみたり、企画展にあわせてセレクトされた本棚からおもいおもいの本をみつけて読書にふけってみたり、と閉館時間までまった~りできるスペースになっています。



GWにはアーティストの新作を試着、ランウェイを歩くチャンスも用意されています。クロージングパフォーマンスも見逃しがたい!もう一度行ってみたい展覧会です。



【拡張するファッション】
会場 /水戸芸術館現代美術ギャラリー
    9時30分~18時(入場時間は17時30分まで)
会期 /~ 2014年5月18日(日)
TEL  /029-227-8111(代)
URL /
http://arttowermito.or.jp/gallery/
入館料/一般800円
休館日/月曜日 *ただし5月5日(月・祝)は開館

アクセス/
〈JR〉上野駅発常磐線特急スーパーひたち/フレッシュひたちが約30分毎に運行。
特急乗車時間約65分~85分、水戸駅下車。
水戸駅北口バスターミナルから泉町1丁目下車、徒歩2分。
〈高速バス〉
東京駅八重洲南口バスターミナルから「常磐高速バス(赤塚又は茨大ルート)水戸駅行き」で約100分。
泉町1丁目下車、徒歩2分。





Author:漣(れん)
世田谷区在住 webコンテンツライター
地方都市の現代美術ギャラリー、首都圏のアートプロジェクトサポーター。
美術館のみならず博物館・科学館などのミュージアム系施設が好物です。